韓国で一足早く実装された新カード群。
今回はその中の1枚である人面桃樹cについてです。
このカードは宝剣と同じようなAS効果を持っていますが、発動するのは攻撃魔法でなくヒールです。
そこで、他のAS付き武器のように使いこなせるかどうかを考えていきます。
1.カードの効果
人面桃樹cは盾に装着するカードで、攻撃時に一定確率でオートスペルヒールLv1を自分にかけるというものです。
ヒールLv10を習得している場合はオートスペルで出るヒールがLv10になります。
2.状況の設定
カードの防御性能を分かりやすくするため、幾つかのステータスなどを以下のように設定します。
Case0:
PC側設定:
ヒールLv10の回復量:1800
Aspd:175
Def:40+0
人面桃樹cのAS発動率:2%(大口蛙cのAS発動率と同じ)
敵への命中率:100%
敵側設定:
Atk:800
Aspd:150
PCへの命中率:5% (=PC側が攻撃を95%回避出来る)
設定から分かるとおり、Lv90強の宝剣クルセが亀島地上の敵を相手にすると仮定して計算をしていきます。
この状態はPC側が必中&95%回避を満たしており、理想的な状態で戦うこととなります。
3.人面桃樹cの回復量計算
敵に対して通常攻撃のみで戦った場合、1回攻撃あたりの回復量期待値は
1800(ヒール10回復量)*0.02(AS発動率)=36 となります。
よって、1秒あたりの回復量期待値は36*2=72 となります。
4.3減盾のダメージ軽減量計算
3減盾で軽減できるダメージ量は
800(敵Atk)*0.6(PCの乗算Def)*0.3(3減盾)=144 となります。
これに命中率とAspdを考慮に入れると、
144*0.05(攻撃の命中率)*1(Aspd)=7.2
よって、1秒あたりの3減盾によるダメージ軽減期待値は7.2となります。
5.理想的環境における3減盾と人面桃樹cの比較
上記の結果を見ると、人面桃樹cが圧倒的な防御効果を持っていることが分かります。
人面桃樹cの効果は3減盾による防御効果を大幅に上回り、その上回復量がダメージ量を上回りHPが増える可能性もあります。
また、この効果は相手の種族に影響されることはありません。
一方、3減盾はダメージ軽減量が少なく、HP収支が黒字になることもありません。また、特定の種族にしか効果を発揮しないという弱点もあります。
このことから、単純な防御効果については人面桃樹cに軍配が上がります。
しかし、忘れてはならないのは、人面桃樹cの効果発生が確率に依存しているということです。要するに、ピンチのときに限ってASが出なかったりHPが満タンのときにASが連続で出たりする可能性があるということです。
そのため、防御効果の確実性を求めるなら3減盾を装備したほうが良いでしょう。
この関係は、防御ステータスをAGIにするかVITにするかという問題とよく似ています。
6.異なる条件下での人面桃樹c・3減盾の比較
Case1:
人面桃樹cの発動率を低く見積もって計算しています。
PC側設定:
ヒールLv10の回復量:1800
Aspd:175
Def:40+0
人面桃樹cのAS発動率:0.5%(Case0の1/4)
敵への命中率:100%
敵側設定:
Atk:800
Aspd:150
PCへの命中率:5% (=PC側が攻撃を95%回避出来る)
人面桃樹cの回復効果:1800*0.005*2=18
3減盾の防御効果:800*0.6*0.3*0.05*1=7.2
Case2:
強敵と対峙した場合を想定しています。
PC側設定:
ヒールLv10の回復量:1800
Aspd:175
Def:40+0
人面桃樹cのAS発動率:0.5%(大口蛙cのAS発動率と同じ)
敵への命中率:80%
敵側設定:
Atk:1500
Aspd:150
PCへの命中率:30%
人面桃樹cの回復効果:1800*0.02*2=72
3減盾の防御効果:1500*0.6*0.3*0.3*1=81
Case3:
攻撃を回避できない敵と対峙した場合を想定しています。
PC側設定:
ヒールLv10の回復量:1800
Aspd:175
Def:40+0
人面桃樹cのAS発動率:0.5%(大口蛙cのAS発動率と同じ)
敵への命中率:100%
敵側設定:
Atk:800
Aspd:150
PCへの命中率:80%
人面桃樹cの回復効果:1800*0.02*2=72
3減盾の防御効果:800*0.6*0.3*0.8*1=115.2
Case4:
攻撃を当てづらい敵と対峙した場合を想定しています。
PC側設定:
ヒールLv10の回復量:1800
Aspd:175
Def:40+0
人面桃樹cのAS発動率:0.5%(大口蛙cのAS発動率と同じ)
敵への命中率:50%
敵側設定:
Atk:800
Aspd:150
PCへの命中率:5%
人面桃樹cの回復効果:1800*0.02*2*0.5=36
3減盾の防御効果:800*0.6*0.3*0.05*1=7.2
7.さまざまな環境化における3減盾と人面桃樹cの比較
Case1〜Case4を見ると、PC側の回避率が95%を割っている時に3減盾の効果が大幅に上がっているのが分かります。
特にCase2と3を比較すると、攻撃を20%しか回避できないCase3では3減盾の効果が人面桃樹cの効果を大幅に上回っています。
Case2でも3減盾が人面桃樹cの効果を上回っていますが、敵Atkが1500と高い割には3減盾の防御効果は低めです。
3減盾は敵の命中率が上がるにしたがって、防御効果が指数関数的に増大しています。
また、敵への命中率が下がると人面桃樹cの回復効果が下がるのが分かります。これは桃樹cの発動率を低く見積もっても同じ結果となります。
回復効果は、命中率やAS発動率が下がるにしたがって1次関数的に低下します。
なお、ここには計算結果が書かれていませんが、ヒール回復量が低下した場合も回復効果が1次関数的に低下します。
8.まとめ
以上の結果から、人面桃樹cが効果的に働くのは、95%回避Fleeを満たしており敵への命中率が高い状態であるといえます。さらに、ヒール回復量自体が高いことも要求されます。
また、敵の攻撃をほとんど回避できない状況下においては3減盾のほうが有効に働きます。
この結果を踏まえると、INT-AGI型やAGI>INT-STR>DEX型の宝剣クルセは人面桃樹cをかなり有効に使うことが出来ると予想されます。
ヒール10を習得できる職としてはプリースト・モンクがいますが、これらの職はAspdがやや低かったりヒール回復量が低かったりと、宝剣クルセほど有効には使えないと考えられます。